インタビュー

INTERVIEW

エンタメ業界に物流の考え方をはじめて持ち込んだと自負している、石山。

株式会社サイテキの代表取締役、石山龍二のインタビュー。大手運送会社から、物流業界、エンタメ業界など、従来のサービスの「最適化」に挑んできた軌跡をたどる。

PERSONAL HISTORY

ー 野球に夢中になっていた学生時代。夢を諦めても、野球のある生活で得た経験とは。

石山社長

小2からずっと野球やっていて、大学までやりました。
小、中学校位まではめちゃくちゃ野球が上手かったんで、普通にプロ野球選手になるんだろうなって思ってました。高校入ってからも野球ばっかやってたんですけど、神奈川出身なんで横浜高校とか東海大相模とかすごいとこがいるんで。それを見た瞬間、これ無理だなと思って諦めたんですけど、親父が野球をずっとやっていて、大学野球をやらなかったことをすごい後悔してるから僕にやらせたかったみたいで。
その想いもあって、大学に行っても野球をしていました。大学の時に肩を壊してからは、大学野球部のコーチ兼マネージャーみたいなのをやっていました。監督と関わる事が増え、大人の世界を知りました。そこでスムーズに進むような段取りとか、そういうのを学んでいったという感じです。

ー 野球で培った忍耐力やマネジメント力は、大手運送会社の人事の目に止まる。

石山社長

運送会社に入ったのも、監督の大学時代の野球部の先輩がいて、『 お前就職どうすんだ 』って言われた時に何にも考えてなかったんで、『じゃあここに行け』って話になって、そのまま面接も何もなく入社が決まったって感じですかね。普通の営業所の業務係に配属予定だったんですけど、当時の管理本部総務部長が、たまたま僕の大学時代のマネージャーをやっていた経歴を見て『初めて新卒でこいつを取る』って言って、急遽、総務部配属になりました。役員秘書みたいなのを兼ねて総務部に配属されて。当時の会長や本社の社長とかのお付きとして、普通の業務をやりがら秘書をやる多忙な生活を7年続けました。

本社の社長だった人が、派閥争いみたいなものに巻き込まれて辞めちゃったんですよね。当時は秘書ですごい近い場所にいたんで、会社の愚痴とかこういうことを改善した方がいいとか直に社長に言えたりしたのですが、その人がいなくなっちゃうと会社の矛盾点や改善点を言えるわけでもないので、まぁめちゃくちゃ面白くねえなと舵を切りました。

ABOUT BUSINESS

ー 野球の経験が、経験者としての資質も育てた。

石山社長

経営者になる前と後で、特に変化はないと思っています。というのも、野球って結構チームワークで、組織とかチームとかをまとめていくというのはちっちゃい時から経験しているので。
組織の一番上というか、指示や決定をしていく立場というのに、そんなに違和感がないんです。だから、経営者になっても個人としてはそんなに変わっていないんじゃないかなぁと思っていますね。

ー 創業当時から変わらない姿勢の、根底にあるもの。

石山社長

僕は、当たり前のことを当たり前にやるってことが大事だと思ってるから、やってることが特別なことだと思ったことはあんまりないんです。
今までみんながやっていないことをやってるだけなので。最初に始めたことっていうのは結構あると思うんですけど、それらを『特別なこと』という感覚ではしていないですね。

ー 石山社長が考える、会社にとっての一番の財産というものは。

石山社長

財産は、『実績』じゃないですかね。『一番最初にやった』とか、『元祖なんとか』って言ってる人たちって結構いると思うんですけど、実績を出していけば、誰が最初に始めたとか、最初に言い出したのは誰だっていうことは 一目瞭然になると思うんです。そう考えると、やっぱり実績を出していくことがすごく大事だなと思うんで。
僕はよく、従業員たちに『実績に勝るブランディングは無い』と言っています。それくらい、実績を貯めていくことが1 番の財産だと思っています。

ー 仕事をする上でやりがいを感じることは。

石山社長

やっぱり僕たちは、便利にしていくとか、最適化していくってところを目指してるんで。
時々、Twitterとかで『物販列めちゃめちゃ早い』とか『めちゃ効率的』みたいな話が結構あって、それを拾った時は結構はまったなって感じがして嬉しくなったりします。お客さんの反応からやりがいを感じますね。

ー エンタメ業界の「不便さ」を変えたサイテキの実績。

石山社長

うちの一番の実績は、引き取り通販だと思うんですよね。 僕たちがエンタメに来たときというのは、そもそも通販をやっているアーティストがそんなにいなかった頃でした。
その背景には、納品スケジュー ルの問題がありました。アーティストは自分の作るグッズのデザインのこだわりとか、譲れない部分がどうしても出てきてしまうんで、事前に通販で買ったものを自宅に届けるってなると、結構手前に納品してもらわなきゃいけなくて。
そうすると、スケジュール的に間に合わない、だから通販はできないとなっていたんですね。そこを、『だったら、いっそ通販で売っちゃいましょう、そのかわり、お客さんには当日の現地で渡しましょう』っていうサービスを始めたんですよね。
お客さんは送料を払わないで買えるし、並ばなくていい。売り切れを心配する必要もない。引き取り通販を作って、一番最初にやり出したのはうちだと思います。 それは大きな実績だと思っています。

ー エンタメ業界で「最適化」を実現させる上での苦労は。

石山社長

やっぱりチャネル数増やすとその分手間がかかりますからね、それは大変ですね。大量出荷もスペースをずっと確保するっていうのは、結構大きなリスクですし。
物販の仕組みとかガチャも前作りましたし、最適化するためにはお金を使ってます。 販売でいうと、みんな手が回らないしよく分からないから、結構アルバイトに任せちゃうんですよね。アルバイトといいますけど、実際はイベント専門の派遣会社からの人材です。
派遣会社は売上を上げるために人数を多く入れるため、そこでアーティストとかイベント会社の利益が搾取されてるっていうところはありますね。でも、これは別に派遣会社が悪いわけじゃないんです。ようは丸投げしなければいいだけなので、僕たちは必ず現場に行って具体的に指示を出して、なるべく少ない人数で早くやっていくようにしています。前日の準備など結構大変ですが、そういうことも大切な仕事だと思っています。

ー 石山社長が目指す成功とは、どんなものを想像しているのか。

石山社長

音楽系とかじゃなくても良いんですけど、ファン目線に立ったイベントを2日でも3日でもやって、そのイベント自体が話題になって、なかなかチケット取れないみたいに言われたら、結構成功したなって感るんじゃ ないかなって思います。
ファン目線に立つってことをやっていくと、同じように思っているアーティストや、店舗しか集まってこな いと思うんですよ。そこをファンが喜んだら、出店してくれた人たち、出演してくれた人たちもめちゃくちゃ喜ぶと思うんです。それは1個の成功なんじゃないかなぁって思いますね。
それを継続的にやれたら、それこそフジロックみたいに20年とか30年とか続いていけるようなものになったら、その時死んでるかもしれないんですけど、成功したんじゃないかなぁって思います。

PROFILE

石山龍二 / 株式会社サイテキ 代表取締役

1976 年生まれ、神奈川県出身。
物流業界での 15 年以上のキャリアと知識を生かし、エンタメ系商材の物販ソリューションを提供している。現場の効率化を図る。 引き取り通販などをいち早く取り入れたパイオニア。

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